楽しい楽しい日本のドラマ

14 - 2000.11.16

楽しい楽しいサスペンスドラマ

(恋人風の三十代の男女二人が歌を歌いながらピクニックをしている。しばらく歩いていくと、女が中年男の首吊り死体を発見する。女は首吊り死体を見ながら悲鳴を上げる。)
「キャーーーー」
(男はびっくりして女を見ながら
「どっ、どうした。どうしたんだ。」
(女は首吊り死体の方をゆっくり指差しながら)
「あっ、あれぇ」
(男は女の指差したほうを見る。びっくりして)
「いっ、いったい何があったんだ・・・・」

 

 

楽しい楽しいサスペンスドラマ2

(単なる知り合いの若い男女二人が部屋の中で。男が女の体を奪おうとする。女は激しく抵抗する。)
「やめてェ。やめてください。」
(男は楽しそうに)
「いいじゃないかぁ。減るわけじゃないし。」
(女は抵抗を止めない。もみ合いの中で男を激しく突き飛ばす。突き飛ばされた男は頭をたんすに激しくぶつける)
「ああっ・・・・」
(男はそのまま気絶する。女は男が死んだものと思い、その場を慌てて立ち去る)

−次の日に男の死体が発見され殺人事件となった。女は自分が殺したと思っていたが、実は女が部屋を出て行った後に、その部屋に入ってきた人物が気絶していた男を殺したのだった。−

 

 

楽しい楽しいホームドラマ

(若い男女5、6人が居酒屋で乾杯しようとしている。全員で)
「かんぱーい」、「かんぱーい」、「かんぱーい」
(するとA子が口を挟む)
「ねぇ、まってまってぇ。何に乾杯する?
(それにB男が答える)
「そうだなぁ。C君のXXXXを祈って。」
(もう一度みんなで乾杯する)
「かんぱーい」、「かんぱーい」、「かんぱーい」

 

 

楽しい楽しいホームドラマ2

(主人公のS子がトレーニングウエアでジョギングをしている。首にはタオルを巻いている。そして、そのタオルを両手でもちながら少し息苦しそうに)
 「ハァ、ハァ」

 

 

楽しい楽しいホームドラマ3

(父親と娘が家のなかで。娘が父親にプレゼントをわたす。)
「はい、これ。お父さん。」
(父親、少しびっくりして)
「どうしたんだ。」
(娘、ニコニコしながら)
「プレゼントよ。」
(父親、照れくさそうに)
「どうしたんだ。やぶからぼうに。」
(娘、あきれた表情で)
「やだぁー、今日はお父さんの誕生日じゃない。」
(父親、嬉しそうに後頭部を手でたたきながら)
「そうかぁ、今日はワシの誕生日かぁ。お父さん、忙しくて忘れてたよ。はっはっはっはっ。」

 

 

 

 政治家が悪いのは選んだ有権者に責任がある。それと同様に日本のテレビドラマが幼稚なのは視聴者に原因がある。例えばサスペンス劇場でも数年に一度は力作を放送する。しかし、いつもと視聴率が変わらない。ならば、いつもの幼稚なサスペンスの方が時間も金もかからずに得策というわけだ。

 日本人は幼稚なドラマが好きなのだろう。頭を使わずにすむし、ボケッーと見ててもストーリーが分かる。サスペンスなどは分かりきった説明をしてくれるからね。それと、ワンパターンにもいいところがある。予想が当たるから。

 僕の好きな脚本家は山田太一と倉本聰。倉本さんは時々詰まらない作品を書くが、山田太一作品で詰まらないと思ったことはない。特にサラリーマンや企業の実体を驚くほど勉強調査されている。日本の一般的な脚本家は、たいした勉強もせず、他の人が書いたドラマを脚色しているだけに思えてならない。

 

蛇足
自分の亭主に敬語を使う主婦が多すぎる。 サスペンスものは例外なくそれだ。 現実には上流社会の家庭でも亭主に敬語を使う主婦は少ないだろう。

 

 

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