不況感がなくなる日
〜人間にも適応力がある〜

06 - 2000.2.19

ある企業

 ある企業の社長さんは、従業員100名に対してそれぞれ30万円の給料を毎月払っていました。すると、

100名 x 30万円 = 3000万円(いわゆる社会主義)

毎月毎月3千万円もの給料を支払っているのでした。 そこでこの社長さんは、世間の流れにのっとりリストラを決行しました。社員100名のうち、かなり能力のある人が5名、普通の人々が65名、能力に劣る人が残りの30名。 なので、能力のある5名の給料を3倍にし、能力の劣る30名をレイオフ(解雇)しました。すると、

5名x90万円 + 65名x30万円 = 2400万円(いわゆる資本主義)

なんと、毎月600万円も給料を節約できたのでした。 しかも、能力ある人たちは、やればやるほど給料が高くなるのでやる気も増し、よい仕事をどんどんこなしていきました。 また、今まで普通の人だと思われていた65名も、やっただけの給料がもらえることを知り、能力を開花するものも出てきました。 適当にやっていたらレイオフされると、みんな必死に仕事をやりました。 さらに、社員の減少でオフィーススペースを減らすことができ、経費の節約にもなりました。 社長さんにしてみれば、給料等の経費が減り、なおかつ社員がやる気を出してくれたので願ったり叶ったりでした。 そしてこの企業はますます発展し、みんな幸せに暮らしたとさ。 おわり。

 

平等とは

 平等とは、何でしょうか。 能力がある人もない人も同じ給料をもらうのがはたして平等でしょうか。 能力のある人は高い給料をもらい、ない人はそれなりの給料をもらう。 プロ野球選手を例にとると、イチロー君と阪神タイガースのカツノリ君(野村監督の息子)が同じ年俸をもらっていては、誰も納得しないでしょう。 つい数年までの日本は、まるで社会主義国家のように皆似たような給料をもらっていました。 それが、不況やビッグバンのおかげでやっとそこから脱出し、本来の姿、つまり資本主義を取り戻したのです。

 

国から見ると

 冒頭に紹介した”ある企業”は、その企業だけをとってみれば合理的ですが、国全体としてみるとどうでしょうか。 じつは、国としてみても都合がいいのです。 まず、一つの企業が元気になり儲けが大きくなれば税収が増えます。 また、一部の人が高所得者になれば、そのぶん消費も増えます。 イチロー君のような年収を取るサラリーマンも珍しいことではなくなるでしょう。 そんな高所得者は、大きな家を買い、高級車を乗りまわし、高価な宝石や服、鞄、靴、時計を買い、豪華な旅をするでしょう。 また、低所得者たちだって、最低限の生活はしなくてはなりません。家賃と三度の飯と、たまには居酒屋、旅行、服も買うでしょう。 いくら低所得でも、消費しないわけにはいきません。

 

統計をとれば”不況”なのは当たり前

 ”ある企業”の例でいけば、5%の人が高収入になり、30%の人がレイオフされたわけですから、パーセンテージでいけば暮らしは悪くなったと言う人が増えます。 もう後戻りはできないから、優勝劣敗の世の中はこの先ずっと続きます。 となれば、暮らしは良くなったと思う人より悪くなったと思う人の数が上回る社会が当分続きます。

 

不況感は永遠に続くか

 いいえ、続きません。なぜなら人間は、”馴れる”からです。 これが当たり前と思うようになれば不況感もなくなりります。 一部金持ちがいるにせよ、ほとんどの人が自分と同じなら、さして不幸とは思わないのが人間です。 本当の不況がくるまでの話しですが。

 

ただし、福祉を充実させねば

 一見、リストラをすれば企業も国もうまくいくようですが、モンダイはレイオフされた弱者です。 『資本主義と民主主義は両立しない』という言葉がありますが、福祉さえ充実すれば両立すると私は信じています。

 

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