05 - 1999.12.18

 今回は映画の話し。
名作映画は数有れど、僕が泣いてしまった作品をそろえました。まだの人は是非ご覧ください。

 

素晴らしき哉、人生 ('46米)

製作・監督 フランク・キャプラ  出演 ジェームス・スチュアート

 父から銀行を受け継いだ男(ジェームス・スチュアート)が、悪い奴の計略にはまり倒産の危機になる。「自分なんか生まれてこなければよかった」と、男は死を考える。そこに現れるのが三流天使。三流だから羽もないハゲ親父風。しかし、人を助ければ一流になれるので、この男を助けようとするが・・・・。

 これを見て泣かない奴は自分の感性を疑ったほうがいい。メルヘンチックだが今見ても古臭くない。昔の映画なので、最初の30分は静かに始まるから辛抱すること。

 

 

めぐり逢い ('57米)

監督・脚本 レオ・マッケリー  出演 ケーリー・グラント、デボラ・カー

 船上で出遭ったプレイボーイ(ケーリー・グラント)とプレイガール(デボラ・カー)が恋に落ち、半年後にエンパイヤステートビルで再会することを約束する。しかし女が事故に会い、出遭うことができなかった。

 映画を見て、初めて涙した作品。浅黒くて、いかにもプレイボーイが似合うケーリー・グラントは、よくヒッチコックに使われていた。

 

 

セント・オブ・ウーマン ('92米)

監督・脚本 マーチン・ブレスト  出演 アル・パチーノ/クリス・オドネル

 戦争で視力を失った元中佐フランク(アル・パチーノ)は、姪一家の世話になっている。一家の週末旅行を嫌がるので、面倒を見てくれるための高校生チャーリー(クリス・オドネル)を雇う。実はチャーリーは、悪友が校長に悪戯をしたところを目撃していた。そのことで校長から買収を持ちかけられていたのだ。フランク元中佐は、チャーリーを連れてNYに行く。美女とタンゴを踊り、フェラーリに乗り、コールガールと遊ぶなど夜を満喫した後、自殺を企てる。

 この映画は、正しい道を選ぶことの難しさを問うた作品。素晴らしいの一語につきる。きっと泣けます。
 アカデミー主演男優賞受賞(アル・パチーノ)

 

 

ディア・ハンター ('78米)

監督 マイケル・チミノ  出演 ロバート・デ・ニーロ/クリストファー・ウォーケン

 ペンシルベニアの若者たち(デ・ニーロ、ウォーケンたち)が、友達の結婚式などを通して楽しく過ごしている。しかし彼らに、ベトナム行きが言い渡される。ベトコンに強制される”ロシアン・ルーレット”。一度しかない青春が戦争によって壊れていく。

 僕の中では、地獄の黙示禄と並ぶ戦争ベスト作品。3時間の大作で、前半は故郷ペンシルベニアで若者が戯れる様子を描き、後半は一転してベトナム戦争の狂気を描いている。”ロシアン・ルーレット”のシーンは強烈。C・ウォーケンの最後はあまりにも悲しい。 78年度のアカデミーで、作品賞、監督賞、助演男優賞(C・ウォーケン)を獲得している。

 

 

フィールド・オブ・ドリームス ('89米)

監督・脚本 フィル・アルデン・ロビンソン 主演 ケビン・コスナー/バート・ランカスター

 四十を前にした農夫が天の声を聞く。『そこに作れば彼らはやってくる』 とうもろこし畑をぶっ潰して野球場を作る。昔、八百長疑惑で追放されたジョー・ジャクソンらが天から降りてきて楽しそうに野球をする。最後に彼(ケビン・コスナー)の父が天国からやってくる。

 この作品は、父親のことを尊敬してなかった男の物語り。四十を前に、一国一城の主で妻一人子一人。傍(ハタ)から見れば順風満万。しかし、ふと思うと、尊敬していなかった父親とまったく同じ道を歩んでいる。父を超えたい。殻を破りたい。大きなことをしたい。そんな時、天声を聞く。....ラストで若き日の父親が天国から降りてきたとき、この男は初めて気づく。「僕はくたびれた父さんしか見たことがなかった。父さんにも希望に満ちた青春時代があったのだ」、と。

 

 

街の灯 ('31米)

製作・監督・脚本・音楽・主演 チャールズ・チャップリン

 ふとしたことで知り合った盲目の花売り娘を不憫(フビン)に思い、目の手術をさせてあげようとボクサーになったりしてお金を儲けようとする。しかし、ナカナカ稼げない。そんなとき、億万長者と仲良くなり、巧くお金を引き出すことができたのだが・・・。

 僕が高校1年のときに日本でもリバイバルされ、確か日比谷映画座で見たのだが、館は笑いの渦。チャップリンはこんなに面白いのかと驚いた。今の人はビデオで見るしかないが、友達を大勢呼んで見たほうがいいだろう。面白さが倍増するはずだ。

 

 

スケアクロウ ('73米)

監督 ジェリー・シェッツバーグ  出演 ジーン・ハックマン、アル・パチーノ

 刑務所から出てきた大男マックス(ジーン・ハックマン)が残り1本となったマッチを小男ライオン(アル・パチーノ)から貰うことから珍道中が始まる。マックスは、喧嘩大好きの冷血漢。人を信じない。笑わない。しかし、ものすごく地道な男でピッツバーグでの洗車業を緻密に計画している。一方、ライオンは人なつっこいやさしい奴だが、カミさんを捨てて船乗りになった男だ。他人と喧嘩を繰り返して刑務所に入ったりするのだが。

 僕が高校1年の時の作品。ライオンが暴れん坊マックスに説く場面がある。「カラスと案山子(かかし)の話しを知っているか。カラスは案山子が怖くて近寄らないんじゃない。案山子が面白いから、気を使っているんだよ」 このたとえ話は、分かるようで分からなかった。しかし、僕が成人になってやっと分かった。イソップの『北風と太陽』に似ている。力ずくでは人は動かないということだ。最も心に残ったシーンは、あまりにも喧嘩を繰り返すマックスに愛想がつき、ライオンがマックスから去ろうとするところ。バーの中でのシーンだが、このときマックスがライオンを引きとめようとして必死におどけて見せる。最後はストリップまでやった。僕はこのとき、必死に涙をこらえた。男のストリップで泣きそうになるなんて。  男と男の友情の映画だ。 カンヌ映画祭グランプリ受賞

 

 


Tears in Heaven
by Eric Clapton