近未来予測

1999.7.1

七月のゆくえ

 2部株、店頭株の堅調から、上昇相場に変化はないでしょう。しかし、高所であることを忘れてはいけません。世の中にはいつもゲンキンな人がいて、「日経平均は、1万9千円とか2万円まで行く」と、強気の声が聞こえてきますが、仮に日経平均の高値が1万9千円だとすると、去年の底12800円から計算し、現在の17500円は7.5号目。高値が2万円だとしても、6.5号目になります。 つまり、今から買うのは、リスクが大きいことを頭に入れておく必要があります。

 それから今後の株式投資は、『出遅れ株』と言う理由で株を買ってはなりません。優勝劣敗の世の中に突き進んでいるわけですから、高くなる銘柄はどんどん高く、安い銘柄は安いまま、となるはずです。

 また、日経平均がガンガン上がるのをみて、焦ってはいけません。買わないでいるのは、損しているわけではないのです。「誰かが大もうけしている」からといって、あなたが損しているのではないのです。

 いずれにしても、せっかく儲けた分が吹っ飛ばないように、くれぐれもご注意下さい。  

 

1999.8.1

七月の思い出

 海の日を皮切りに118円、115円と円高が加速し、日経平均は22日(木)には500円安になり、その後NYも200ドル安と調整入りするかと思われましたが、日本株は思ったよりも力強く、特に富士通、ソニーは屈強なところをみせました。
 しかし、仕手株の一角が崩れ出したこと、値上り銘柄数よりも値下がり数の方が多いこと、など不安が残ります。


八月のゆくえ

 残念ながら今月は、冴えない展開(1万7千円台のもみ合い)、となるでしょう。今年の上昇相場で大きく成長した、井筒屋やシルバー精工などの仕手株が値崩れを起こし出しました。こういった仕手株は、全体相場の指標になる場合が多く、日経平均が調整することを暗示しています。また、新たに急騰する銘柄が、短命に終わるケースが増えていることからも、手詰まり感が否めなく、相場が崩れやすくなっています。

 しかし、上昇相場には調整は不可欠であり、調整が無ければ長続きもしません。ですから慌てて売るのは禁物です。よっぽど利が乗ったのを別にすれば。

 それにしても空売りをしている人は大変でしょうね。90年のバブル崩壊から去年までの下げ相場では、空売り派も良い思いをしたでしょうが、今年から始まった上げ相場では買いを主体にした方が理にかなっているのは至極当然です。

 先月も言いましたが、優勝劣敗、二極化はより鮮明になるでしょう。つまらない企業を買わないように! 上げ相場の場合は、主役を持つことが成功に一番近いかもしれません。

注目銘柄−富士通、セブンイレブン・ジャパン、ヤマト運輸

追伸

 1999年7の月、何も起こりませんでしたね。やっぱり。間違えないでほしいのは、ノストラダムスがインチキだった訳ではありません。日本のG氏の解釈が頓珍漢なだけでした。でも、G氏は賢かったと思いますヨ。色んな意味で。誰も傷つけてませんしね。なにをやってもいいんですよ。人さえ傷つけなければ。

 

1999.9.1

真夏の出来事

 円高の影響もあり、一時17000円すれすれ、19日までは一進一退の冴えない動きでした。しかし、19日の大引け間際、第一勧銀、富士、興銀統合のビッグニュースにより、他行も再編が進むとの観測から、20日と翌週月曜日23日に三行を含む都銀、信託銀行、証券会社までストップ高が続出しました。日経平均も出来高をともなって勢いよく18000円を抜いたことから、このまま一気に19000円まで突き進むかと思ったのもツカノマ、24日火曜日には金融株が一転して売り気配、まさに真夏の夜の夢、打ち上げ花火のようでした。
 一方、国際優良株は終始冴えない展開、しかしソフトバンクは相変わらず堅調なところを見せました。また、東証二部、店頭株も依然として堅調に推移しています。

九月のゆくえ

 ズバリ、今月は高いでしょう。19000円を目指す堅調な展開になるでしょう。私は、二ヶ月くらい調整すると読んでいましたが、相場はそんなに待っていられないようです。

 108〜105円までの円高局面では、金融株、素材株が買われ、円安に戻れば国際優良株が買われるでしょう。つまり、今が国際優良株の絶好の押し目(買い場)かもしれません。

 それにしてもソフトバンクはスッゴイですねぇ。矢継ぎ早に夢のある構想の数々。本日(9/1)は、アコムとなんかやるみたいで、アコムの株がストップ高しました。私の持ってるTOTOとなんかやってくれないかなぁ。

注目銘柄−富士通、ソフトバンク、日産自動車、新日鉄

追伸

 今年の甲子園は最高でした。好投手ぞろい、特に左腕が光りましたね。スターのいない甲子園は面白いというジンクスは今年も健在だった訳です。ただ、ストライクゾーンが物凄く広いですな。小さい選手の首あたりでストライクと言われた日には。小柄な選手が過去においても活躍できなかった理由が分かりました。

今月の言葉

甘く見るな、意地になるな

(毎月月初発行)

 

1999.10.1

九月の出来事

 21日、円高、台湾の大地震、NYダウ200ドル安をうけ、翌22日、日本株は急落、速水日銀総裁の金融緩和否定をトリガーにして円は103円台、NYダウも1万ドルすれすれ、24日には日経平均も17000円を割り込みました。その後、円は落ち着いた動きになり、NYも落ち着きを取り戻し、日本も一気に切り返し結局17600円に乗せて終わりました。
 個別的には、プレステ2を発表したソニー、1対2の分割を行なったセコムがしっかり。ドイツ銀行と提携したさくら銀行が高くなりました。新規公開株は相変わらず賑わっています。

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十月のゆくえ

 まず始めに、先月の予想(19000円を目指す展開)大幅に外したことをおわびいたします。最低でも18000円台に乗せると思いましたが。
 さて、今月は、やっぱり堅調に推移すると思います。その理由としては、株式手数料の自由化により活発になることが予想されます。(多少)
 いずれにしても、円とNYの動きが気になりますね。為替が110円まで下げれば安心感も漂い、NYも日本も買われることでしょう。ただ、上昇相場であるわけですから、浮気と欲をあまり出さなければ儲けることが出来るはずです。

 注意すべきは、あまり日経平均に振り回されないこと。テクニカルや売りが少なくて上げることもありますから。それと、出来高を気にし過ぎるのもあまり感心しません。例えば5億株出来たとしても、低位大型株が買われての5億株と、超値嵩株が買われての5億株では全然中身が違いますから。気にするなら売買代金を気にして下さい。

 先月も少し書きましたが、今後は株式分割をする企業にもっと目を向けてはどうでしょうか。八月はセブンイレブンが、九月にはセコムが1対2の分割を実施しました。株式分割とは、資本金を増やさずに、単純に株数を増やすこと。その分株価は下がります。たとえば、株価が1万6千円で配当が50円の企業が1対2の分割をすると、株数は倍、株価は8千円、配当は25円になります。理論的には同じ訳ですが、株価が安くなった分買いやすくなりますし、なによりも心理的な底値が設定されます。セブンイレブンもセコムも8千円を下回ることは、全体が暴落しない限りまず無いと見ていいでしょう。また、分割を発表しただけで株価は高くなります。
 セブンイレブンもセコムも来年、あるいは再来年以降、分割を繰り返すことが十分考えられます。ソフトバンクもいずれはやると思います。欧米の優良企業のように株式分割を繰り返していけば、自然に株数は増えていき、安定した資産形成となるでしょう。

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注目銘柄−富士通、ソフトバンク、日産自動車、新日鉄

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追伸

 ソニーがプレステ2を発表しましたね。DVDもプレイできるということで、ゲームをやる人は買うっきゃないですね。また、同じ来春にDVD録画機も発売されるようで、結構明るい世の中になりそうです。

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今月の言葉

下手な動き、休むに足らず

(毎月月初発行)

 

1999.11.1

十月の出来事

 14日、住友銀行とさくら銀行の合併が発表されました。また、19日には三井海上火災保険(第3位)、日本火災海上保険(第5位)、興亜火災海上保険(第8位)の三社合併が発表がされました。
 また15日に、NYダウが一時一万ドルを切り、今度こそ調整かと不安になった人も多かったと思われますが、再度切り返し、しぶといところを見せました。為替は103円台に突入するなど円高傾向が続いていますが、NYが落ち着きを取り戻したこともあり、十月最後の取引日29日には、日経平均は500円強も高くなり、とりあえずほっとしたところでしょうか。

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十一月のゆくえ

 NYダウが落ち着きを取り戻したことに加えて、晦日に日経平均が500円も上げたこともあり不安はある程度払拭されたようです。しかし、NTT株の再度売り出しで需給面では悪くなり、目先力強く買いあがることはあまり考えられません。18000円を挟んだ展開が予想されます。

 私は16日に、NY株調整入りかのコラムを掲載しましたが、今度こそ調整かと思った人も少なくなかったと思います。やはり、『暴落は忘れた頃にやってくる』。暴落や調整を予想する人が多ければ何事もなく終わるのでしょうね。

 今年も残りわずかとなってしまいましたが、現時点で儲けている人は多いでしょうね。大儲けした人も少なくないことでしょう。しかし、なかには「あまり儲けてない」、「損した」人もいるはずです。『カラ売り』などはモッテノホカですが、あまり儲けてない人は考え方を改めない限り、一生儲けることはできないでしょう。迷ったときは、初心に返れですよ。.

注目銘柄−富士通、ソフトバンク、日産自動車、新日鉄

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追伸

 MVPが工藤と野口に決まりましたね。しかし、注目度でも数字でも、松坂と上原の方がずっと上なんですけどね。やはり日本人は平和主義なんですねぇ。
 「松坂と上原は新人賞をはじめ数々のタイトルを総なめしている。MVPは優勝チームから工藤と野口にあげよう」と。
 こんな思いが心の優しい日本人にあるのでしょうか。できるだけ多くの選手が賞をとれるようにと。たぶんこれは日本人の良いところなんでしょうけど、言うまでもなく世の中全体はドライな方向ですが。

 

1999.12.1

十一月の出来事

 十一月一番のビッグニュースはイトーヨーカ堂の決済銀行業務参入。全国8千店のセブンイレブンにATMを置くことになります。貸し出しをすることがないので不良債権は発生せず、リスクが極めて少ないことが好感され、ヨーカ堂、セブンイレブンともに急騰しました。
 また、ソフトバンクは相変わらずの上値追い。8万円弱まで買われるなど、情報通信株はどこまで行くのか、と誰もが疑う狂乱相場になっています。しかし、その情報通信株に暗雲が立ち込めていることが、私には見えるのです。

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十二月のゆくえ

 本日(12/1)、今まで急騰していた情報通信株、超値嵩株が総崩れとなりました。ソフトバンクは5千円安のストップ安で終わっています。今までも幾度かストップ安はありましたが、今回は節目を感じます。二部株、店頭株も強烈に下げています。今週、もしもこのまま下げがとまらなければ、情報通信株、超値嵩株は終止符を打つことになるでしょう。二部株、店頭株の急落、仕手株(新潟鉄、アツギ)が短命に終わるなど、相場は崩れやすくなっていると考えるほうが妥当です。

 また、超値嵩株を利食った人が低位大型株を買うことが予想されますが、勢いをつけるためには、やはり外人さんの力が必要です。仮に、外人さんが低位大型株を買いにいくのなら、クリスマスに向けて円高になるでしょう。低位大型株を買って、円高に誘導し、ある程度値上がりした低位大型株を利食えば、外人さんにとっては一石二鳥。クリスマス前のひと稼ぎになります。

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注目銘柄−富士通、ミネベア、日産自動車、新日鉄

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追伸

 私事ですが、今年の反省をしてみたいと思います。

銘柄

買値

売値

騰落率

コメント

新日鉄

210

298

42%

買いも売りもほぼ上手くいきました。

川崎製鉄

182

273

50%

買いも売りも上手くやったのですが、273円で売った後、235円近辺で買ったのはやや焦った感があります。

シャープ

880

1350

53%

買いも売りもOK。しかし、まさか二千円を上回るとは。売り急いだとは思っていませんが、千株だけでも残しておくべきでした。

日 立

562

856

52%

買いも売りもOK。しかし、こんなにも早く千円を上回るとは。売り急いだとは思っていませんが、千株だけでも残しておくべきでした。

TOTO

890

保有中

-

しくじったとは思ってません。光触媒の将来性を信じて買ったわけですから、辛抱あるのみでいきます。

セブン
イレブン

7900

15025

90%

株式分割を繰り返す超優良企業ということで買ったのですが、情報通信株の上昇に乗っかり、かなり上昇しました。また、ヨーカ堂の銀行業務参入のニュースを受け、ヨーカ堂、セブンイレブン株とも数日間ストップ高し、急騰しました。一生持ち続けるつもりだったのですが、急騰すれば話は別。すべて売却しました。いずれにしてもラッキーでした。偶然の幸運と自分の腕を混同すると、後々痛い目に会います。

 

過去の予想記録

99年1〜6月

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