近未来予測

2003年2月号

2/5 日経平均 8,549円     TOPIX 845p    1ドル=120.2円

 

1月の出来事

 月前半はNYも東京も比較的好調でした。しかし、イラク問題等で後半になり下げだし、一時日経平均はバブル後最安値を更新。しかし、僅かに下回っただけで、その後は8500円前後をキープしています。

 1月に上昇した銘柄は、クラリオン、第一工業製薬、日本コンベア、住友軽金属、リズム時計、ユアサ商事、トキメック、兼松、ルック、旭テック、日特建設、良品計画、芝浦メカトロ、富山化学、井関農機、千代建、石塚硝子、津田駒工業、ヨコオ、新日鉄化学、萬有製薬、

2部では、日本食品加工、大盛工業、ワンダーテーブル、東京理化工業所、日本インター、アドバネスク、新興プランテック、鈴木金属、富士エレクトロニクス、魚喜、サービスウエアコーポ、イワキ、川岸工業、トウアバルブ、アイ・ロジステック、カワニシ、ソデック、ニイウス、チノン、小糸工業、セーラー万年筆、コンドーテック、

大証は、川上塗料、新日本紡績、安治川鉄工、オカダアイヨン、日本医薬(注目)、日本コンピュータシステム、フタタ、古野電気、シムリー、

店頭は、ソデックプラステック、スガイエンターテイメント、共栄冷機、CHYOYA、テンポスバスターズ、日本高純度化学、ワイエイシイ、マーベラスエンターテイメント、SKI、イリソ電子、SES、鉱研工業、修学社、日本ロジステック、昭和真空、シーアイエス、富山製薬、イハラサイエンス、安藤薬業公司、バックスグループ、バンダイビジュアル、フォーサイドットコム、倉元製作所、日本ユニコム、遠州トラック、白銅、サンシティ、田中亜鉛、NOVA、ウィン・インターナショナル、ワークスアプリ、

安いのは、セガ、セイゼリア、ベンチャーリンク,NECソフト、アーバンコーポ、TDCソフト、カプコン、アドブァン、

 

店頭が強い

 今年に入ってから店頭株で強いのが目立ちます。経験則によれば、まず店頭株が高くなり、その後大証や2部の小型株。最後に東証1部が上昇するパターンがほとんど。
 今回も当分店頭株の活況が続くようなら、日経平均は期待してよいと思います。

 

2003年4月号

4/2 日経平均 8,069円     TOPIX 797p    1ドル=118.77円

 

3月の出来事

 NYダウは7400P、日経平均は7824円まで下押しました。 その後、イラク戦争がはじまり、短期収束の見方からNYダウ、日経平均とも上昇。 しかし、開戦後1週間経った頃より長期化の恐れもあるとして再び8000ポイントを割りました。

 3月に高くなった銘柄は、
 1部で丸栄、三晃金属、バルカー、河合楽器、田村電機、鬼怒川ゴム、雪印乳業、日特建設、オリジン電機、ルック、ナカノ、東都水産、日本カーボン、アサヒ飲料、ビジョン、クラリオン、ポッカ、新日鉱ホールド、中国塗料、パイロットGH、

 2部は、日本製箔、ユニオン光学、東京理化工業、チノン、

 大証は、京阪神不動産、兼松日産農林、

 店頭は、エーティーエル、タムロン、トッキ、レインズインター、日本オプティカル、グッドマン、昭和真空、日本電子材料、パルタック、富士製薬、

 安くなったのは、ロプロ、富士ソフトABC、新日鐵ソリューションズ、メガチップス、NECソフト、エスバイエル、ハマキョウレックス、コナミ、西松屋チェーン、大日本スクリーン、マースエンジニア、カプコン、ネットワンシステム、杏林製薬、野村総研、三井住友FG、住友信託銀行、ジャフコ、ベンチャーリンク、東京精密、アコム、東京製鐵、

 2部大証は、日本精鉱、松佳、ウィン、マルコ、

 店頭は、メガフュージョン、アクセス、フィッツ、ローツェ、

低位株

 今は低位株しかないでしょう。大暴落が起こるまでは、低位株での幕間繋ぎになるでしょう。

 イラク戦争が短期終結にしろ長期化するにしろ、アメリカは兎も角、日本の経済にプラスになることはほとんどないでしょう。 一つだけ考えられるのは、戦後復興に貢献できる銘柄。 三菱化工機、コマツ、三菱重工などが考えられますが・・・・。

 いずれにしても、日本が立ち直るためには構造改革が進展しないと話になりません。 

 長期投資は、難しい時代になったかもしれませんね。

2003年5月号

5/2 日経平均 7,907円     TOPIX 804p    1ドル=118.77円

 

4月の出来事

 イラク戦争が無事収束宣言。大方の見方通り、ドルは強くなりません。 NYダウが8500ポイントあたりで頑張っているのに対して、日本はまたまたバブル崩壊後の最安値。 日経平均は、7603円まで行きました。 そして、4月のトピックスはなんといってもソニーショック。 決算の内容が予想以上に悪く、2日間のストップ安。 しかし、連れ安する銘柄も無く、穏便に収まりそうです。

 指数と大型株、優良株こそ下げてますが小型株は年初から上げているものが多く、年初来高値をつけている銘柄が続出しています。

GW明け後、政府から株価対策が打ち出されるそうですが、今度はどうなるでしょう。

 4月に高くなった銘柄は、ナカノコーポ、高嶋、共立、内田洋行、バイリーン、ルック、不動建設、キャノン電子、三井山、三協精機、セイコー、ダーバン、田村電機、ヨロズ、淺沼組、などなどなど。

2部は、アビオニクス、小津産業、

店頭は、ザイン、フォーサイド、ウィーブ、ストロベリー、マックハウス、アイオーデータ、T・ZONE

安くなったのは、みずほ、ソニー、エイベックス。

強いものは強い

code 銘柄 直近安値年月 安値価格(a) 現在(b) b/a
4835 インデックス 02/10/03 201000 630000 3.1倍
6712 田村電機 02/02/19 118 389 3.2倍
7740 タムロン 02/02/28 330 2690 8.1倍
7750 ペンタックス 02/11/20 142 517 3.5倍
8029 ルック 02/12/24 263 1155 4.4倍
8057 内田洋行 02/12/19 201 603 3.0倍

 経験則から言えば、上記に掲げたように強い銘柄がちらほらある時は相場全体も期待してよさそうです。

2003年7月号

7/1 日経平均 9,278円     TOPIX 916p    1ドル=119.77円

 

6月の出来事

 4月30日の7600円をスタートに6月も5月に続いて順調に上値を切り上げました。

 外人主導型で8800円、9000円の壁を難なくクリアしました。また、個人投資家の買いが目立っています。 つまり、今は個人と外人さんで高くなっている。 底から上げる時は、いつもそうですが。

 中小型株はもとより、大型株にもその矛先が回り始め、ほとんどの業種で上げています。

 出来高は、連日10億株を超える大商い。バブル期のレコードを更新しそうな勢いです。 もっとも、バブル期に比べ今は株価が安いので低位株が物色されれば10億を超えやすいことは確かですが、それにしても活況であることに違いはないでしょう。

 なお、6月に高くなった銘柄、安くなった銘柄は、株式日誌を見てください。

今後の予想

一部のエコノミストは、今の株高を異常と見ています。 実体経済が何ら変わっていないのに株が上がるのはおかしいという弁です。 しかし、大底から這い上がる時はいつもエコノミストは首をかしげるのです。 今回も今までと同じ。 

 仮に、景気に明かりが見え出してから株が上がっているのでは、ボンクラだって儲かるじゃないですか。 全員が儲かることは絶対ありえない。 株というのは、損してくれる人がいるからこそ儲けられるのですから。 株は市場という中の知恵比べであって、実体経済に目を奪われていると常に後手に回ります。 

 それでは、いつまでこの上昇が続くのか?

 勿論そんなことは分かりません。 しかし、短期での上昇トレンドは信頼してよく、この上昇トレンドが中期にわたるかどうかは今後の展開次第でしょう。

 ただ現時点で僕は、出来高や勢いなどからみて、この相場は大きくなりえる可能性を秘めていると見ています。

2003年11月号

10/31 日経平均 10,559円     TOPIX 1043p    1ドル=109.05円

 

10月の出来事 

 21日には日経平均が11200円を超え、店頭、2部もかなりの上昇を見せました。 しかし、23日の550円安が今年一番の下げを記録し、市場をヒヤリとさせました。 ただ、大方の見方は一過性のものと、上昇相場が腰折れしたとは見ていないようです。 

 ドル円は、108円〜110円台のレンジで一進一退の展開が続いています。 大方の見方はドル安方向に進むだろうとの意見で一致しています。 
 米商務省が三十日に発表した2003年第3・4半期のGDPが前期比7.2%増となったことで、108円前半だった為替が一気に1円近くのドル高に。 ただ、市場の間では、減税の消費促進効果が薄れることなどを理由に10−12月のGDP伸び率は3−4%に落ち着くだろうとの見方(31日付読売朝刊)

10月の高い銘柄、安い銘柄

今後の予想

 23日の大幅安がこの先の『重し』になるのか、それとも単なる上昇相場の途中の『押し』なのか。 難しいところですが、仮に再び上昇するにしてもソコソコの時間を要すると思います。 なぜなら、今までの上げ方が急ピッチで、その上今回の下げがきついことで多くの人が痛手を負ったと思われるからです。 ソフトバンクなど急騰している銘柄で儲けた人も多いことでしょうが、今回の下げで儲けが吹っ飛んだ、逆に損した方もいらっしゃるでしょう。 特に最近になって参戦した人は損したことと思います。 それらの後遺症が意外に大きいかもしれません。 となると、盛り返すには時間を要します。

長期金利急騰なら景気悪化の恐れも

 いずれにしてもNYの動向次第になるでしょう。NYが大きく下げるようなら世界同時株安再燃は必死。以下、読売新聞の22日朝刊の記事を載せておきます。

 米政府は二十日、2003会計年度の財政赤字が3742億ドルと過去最大になったと発表したが、米財政赤字の累積は米経済に打撃となるだけでなく、世界経済にとっても安定成長を阻害しかねない深刻な問題をはらんでいる。
 米財政赤字の拡大で第一に心配されるのは、米国債の金利上昇によって長期金利の急騰を招くことだ。そうなれば米経済を支えてきた住宅投資などの個人消費が冷え込むほか、企業の設備投資が鈍るなど、米景気が悪化に向かう危険性がある。

識者の見方

 識者の意見も真っ二つに分かれています。 僕が信頼している人が二人。 長谷川慶太郎さんとドイツ証券の武者陵司さん。 この二人の意見が違うのでとても困っています。 以下に二人の記事をそれぞれ添付しておきます。

長谷川慶太郎の動きを追う(10/24付)より

今の株価下落、調整が発生した原因は幾つも挙げられるが、第一に株価の上昇速度が誰にも予想できないほど早かった点である。いわば速度調整である。株価水準を左右する要因は数多いが、やはり基本となるのは企業収益の動きである。平成15年3月期に大幅な増収・増益を記録した上に次期決算でも一段の増収・増益が予想され確実に日本株の投資価値は高まっている。だが、この増益傾向に水を指す悪材料として「円高」があげられるが、もともと「円高」は長期的に見て日本の輸出を阻害する要素ではない。長期的に見るなら、「円高」が始まった「プラザ合意」の1985年当時、日本の輸出は42兆円だったが、昨年は一ドル120円とほぼ2倍の円高になったが、輸出は52兆円と増加している。従って「円高は輸出増」であり、問題は心理的な要因である。一時的なショックでも、株価が高値水準にある時には、調整の引き金になり得る。その典型が今回の下げである。

という判断に立つなら、今回の下げはもちろん「押し目買い」の絶好の機会を提供すると判断して行動すべきである。だが、下げ相場のなかで買いを入れるのは市場の大勢に逆行する行動だから、踏み切るにはかなりの勇気が必要である。だが、株式投資で利益を上げるには「他人が売るときに買い、買うときに売る決断力」が必要なのである。ここは思い切って投資すれば必ず報いは大きい。「押し目買い」が基本である。

 

2003年12月号

11/31 日経平均 10,100円     TOPIX 999p    1ドル=109.45円

 

11月の出来事 

 17日には日経平均が380円安の9766円と1万円を切り、市場に暗雲が立ち込めました。外人投資家の買いが鈍ってきたとの声もあり、上昇トレンドに変化が起こったのかどうかが最大の関心事になりました。

一方、企業の決算発表が続き、ハイテクは明暗まちまち、鉄鋼や海運は絶好調、証券も今年の上昇相場をはやして好決算、自動車も良しと、大手銀行も大幅増益と、ほとんんどの業種でよい結果となりました。

 NY市場は投信の不正取引、大掛かりな不正ブローカーの逮捕劇、増資ラッシュ、イラク、トルコのテロ攻撃と売り材料に事欠かなく、買いと売りが交錯する展開が続いています。

 しかし、アメリカの7−9月期GDP伸び率(改定値)は8.2%と、上方修正され、米景気の回復期待が高まっているのも事実です。

11月の高い銘柄、安い銘柄

今後の予想

11/17の400円近くの大幅下げの日に、ほとんどのエコノミストが、「ファンダメンタルズは何も変わっていない。株がこれ以上下がるのはおかしい」でした。
86年から90年まで続いたバブルで、このバブルがはじけだしたときも言ってました。99年のITバブルで2000年に入ってから暴落し始めたときも同じ。
暴落の始まりのときは、彼らの弁は必ずこういうのです。
そして、暴落が始まり、暴落の中ごろにきて、「そろそろ底でしょう」と言うのです。
つまり、エコノミスト、証券マン達が経験則からいえることは、
暴落の始まりのときに、「ファンダメンタルズは変わってない」
暴落の途中で、「そろそろ底でしょう」
大底で、「まだ下がるでしょう」
大底を打って上がりだしたときに、「実体経済は何もよくなってないのに上がるのはおかしい」
です。

去年の10月(今年の3月ではない)から始まった今回の相場は終わったと見ていいでしょう。
12000円まで上がるよりも9000円を切るほうが楽なはずです。
相場は達成しやすい方に傾きます。
直近で言えば、10400円くらいまで上昇し、再び下がり9200円どころを確かめに行くでしょう。
そして再び上昇し(今度は95009600)、また下降して9200円をあっさり切り次は8800円。
この8800円を切ればバブル後の最安値である7600円が目標になります。
年末までには9000円を切る可能性があり、来年はバブル後の最安値を更新するかもしれません。

僕を含めて一部の投資家はトレンドが変化(上昇から下降へ)したと見ていますが、日経平均株価を月足で見ると何のことはない、下落トレンドが続いているだけ、の話しです。

あしぎん

足利銀行が9月中間決算でも債務超過に陥っていることが分かり、破綻処理が決定しました。
よって、株券は紙くず。
一時は、りそな式の完全国有化で株主責任は問われないソフトランディングなのかと心配しましたが、そこはやっぱり竹中さん。竹中ハードランディング路線に変更がないことで、とても安堵しています。

週明けの東京市場は、波乱が予想されますが、今後、地銀、信用金庫、の再編が加速的に進んでいき、外人さんの評価も高まることでしょう。

 

過去の予想記録

 02年7〜12月  02年1〜6月 01年7〜12月  01年1〜6月
 
00年7〜12月  00年1〜6月 99年7〜12月  99年1〜6月

 

 

Homeへ
by
羽柴英治