近未来予測

2002年7月号(7.2)

7/1 日経平均 10,595円     TOPIX 1028p    1ドル=120.05円

 

六月の出来事

 ワールドコムがエンロンに次ぐ多額の粉飾決済で信用不安が一気に表面化し、ドル、NYダウ、ナスダックスが急落。 歩調を合わせるように日本をはじめアジアの株も急落。 またまた世界同時株安(何度め?)か?、と緊張が走りました。 ダウが9000ドルの線で頑張っていることもあり、いく分落ち着きを取り戻し、日経平均も1万円のところで踏みとどまりました。

 個別には、なんといってもリソー教育。 1対4の株式分割後も急騰しています。 あとは、富士通ビジネスシステム、日本ケミファが急騰後一服。 この前僕の手がけたダイヤモンドリースも動意づいています。

 下げたところは、ソフトバンクインベストメント。セイゼリア、OSG、ジョイントコーポレーションなど。

 

 

年末にかけて下落か

 暫くは1万円台で推移するでしょう。しかし、年末にかけて弱含みになる可能性が高いと思います。その理由は、

 @政府保有株が断続的に売り出される。

 A株式総会が終わり、持ち合い解消のため売られる。

 B日本の株は未だに底をつけてない。

 Cアメリカの景気後退。

 @の政府保有株が売り出されることについて、過去の経験から株式市場は必ずといってよいほど調整しています。

 Aはたいした事ないでしょうが、問題はBです。 日経平均が底をつけいない限り、本格反騰はありえないのですから。

 そしてC。 日本の最大の御得意さんであるアメリカが景気後退ともなれば、それは日本にとってピンチであることは明白でしょう。

(毎月月初発行)

 

2002年8月号(8.2)

8/1 日経平均 9,793円     TOPIX 9588p    1ドル=119.80円

 

七月の出来事

 NYダウが8000ドルを切り、欧州株も暴落、世界同時株安がとうとうきたかと誰もが思った月になりました。 結局ダウは、7532ドルを底に急反発。 欧州やアジア株も落ち着きを取り戻しました。 一方ドルは、115円を底に120円まで戻しています。

 東証一部銘柄でこの七月に高くなったのは、ツムラ、近畿車輛、日立建機、ローランドディーシー、レナウンルック、群栄化学、チノー、ライトオンなど。

 一方やすくなったのは、ソキア、鈴丹、東陽テクニカ、シーエーシー、ベルシステム24、ユーシン、アデランス、西友など。

 また、大証2部の仕手系銘柄、安治河鉄鋼、新日本紡績などが乱高下しました。

 

 

天井は1万円か

 NYダウが大商いを伴い急反発したことで一旦底をついたことは疑いの余地がありません。 しかし、底をついたからといって、その後再び上昇していくのかといえば答えは ’NO’。 バブルが崩壊したことに変わりはないのですから、今後は右肩下がりの展開になるでしょう。 つまり、半年後か一年後には今回の底である7500ドルを下回る場面がくるでしょう。 世界同時不況は始まったばかりと言う人もいます。

 一方問題の日本ですが、一部のコンセンサスに日経平均1万1千円が目先天井、などの声も聞こえますがひょっとするとこれも甘いかもしれません。 僕は1万円が天井。 1万円までくると売りが出て頭を押さえられるという悲しい悲しい相場になるような気がします。

 何度も何度も言うように、ドカンと暴落するまで日本株式市場は立ち直りません。 ドカンとこないうちは上げ下げを繰り返しながらダラダラと上値を切り下げるいや〜な展開になります。 


のろまな亀

 やはり唯一の頼みは小泉さんの構造改革でしょう。 この構造改革がナカナカ進まないから株ももたもたしているわけですが、考えてみればサッチャーもレーガンもそれなりの時間がかかったわけだし、小泉さんは抵抗勢力の中で良くやっている方だと思います。 我々も、もう少し我慢が必要でしょう。 まだ日本には体力が残っているのですから。

(毎月月初発行)

 

2002年9月号(9.8)

9/6 日経平均 9,129円     TOPIX 894p    1ドル=118.5円

 

真夏の出来事

 恐れていた9000円を切り、日本を発信源にNYをはじめ世界中の株が下げました。特に真新しい悪材料が出たわけではなく、起こるべきして起こったという感があります。

 一方為替は、一時116円32銭まで円高が進みましたが、その後持ち直し日経平均が9000円を割り込んだあたりから円安方向に進んでいます。

 八月に高くなった主なものは、小松建設、日産車体、千代化、コナミ、豊田合成。 2部では、東京リース、はるやま商事、三島製紙、元気寿司、なとり。 大証では、キーイングホーム、大紀アルミ、メタルアート、ウィン。 店頭では、エルエスフェンス、総合商研、富士テクニカなど。

 一方やすくなったのは、一部ではサニックス、セイゼリア、日ハム、伊藤忠テクノサイエンス、リソー教育。 2部では、東邦アセチレン、自重堂。 大商では兵機海運、ムーンバット。 店頭では、翔泳社、レイ、鷹山など。

 

9千円の攻防か

 明日(9/9)に政府が新デフレ政策をを発表するが、これが陳腐なものだと株は黙っていないでしょう。

 くさいものは元を断たなきゃダメ。 日本の諸悪の根源は銀行の不良債権だと思われ、これを解決しない限りいくら小手先の政策をしても焼け石に水でしょう。

 やはり、千葉商科大学学長の加藤寛氏がおっしゃっているように、インフレ政策しかないように思われますが。 


ドイツ証券の武者隆司氏(談)

 最近、僕が最も信頼しているドイツ証券の武者氏の談話を紹介しよう。

@現在のアメリカは、10年前のバブルが崩壊した時の日本にそっくりだ。デフレ現象が個々に見られるのと銀行の貸し渋りは半端ではない。

A欧米の株は今後も下げつづける。1989年に日本が4万円弱の高値をつけて今に至るまで約四分の一以下にまで下げたのだが、これは日本が世界に先立ってのバブル崩壊だったのではないか。つまり、欧米の株は日本の10年後を追いかけているのではないだろうか。

B20世紀後半に世界でみられた経済成長は終わりを告げ、今後は超低成長時代あるいはマイナス成長時代に入るだろう。 つまり、世界同時不況である。

C『世界恐慌』という文字が躍る場面も出てくるだろう。 これを回避するためには、世界協調政策が必要になってくる。

D日本の株価は十分に下げているから、政策次第では底をつけてもおかしくない。

(毎月月初発行)

 

2002年10月号(10.7)

9/7 日経平均 8,688円     TOPIX 860p    1ドル=124.2円

 

9月の出来事

 日経平均は9000円台に終始しました。日銀が銀行の保有株を買い取ることが一時的に銀行株を押し上げましたが、不良債権処理のハードランディングチームが結成されると、さらなる不況、デフレに繋がるとの見方から再び売られ9000円を切ってしまいました。

 9月に上昇した銘柄は、ミノルタ、日本エアリキード、内田洋行、ツムラ、日産車体、2部ではなんといっても日本精鉱。あとは宮入バルブ、日本ピグメント、河西工業、ユニオン光学。大証はマルコ、フォー・ユー。店頭では、南野建設、デジタルなど。

 下げたところは、NECソフト、もしもしホットライン、富士ソフトABC。2部ではニイウス、大証ではメタルアート、店頭ではインターネット・セキュリティシステム、インデックス、アクセス、ソフトバンクテクノロジーなど多数。

 

いよいよセイリングクライマックス

 今月中旬には、竹中プロジェクトから中間発表があり、月末には最終発表の予定です。 ちょうどその頃、セイリングクライマックスだとグッドタイミングなのですが。

 竹中プロジェクトのメンバーを考えれば、ハードランディングであることは必至。 銀行を含めて十件以上の破産になるでしょうね。 それは、未だかつてない空前絶後と言われることでしょう。 しかし、避けては通れない道。 やっと日本もここまできたか、という感じです。

 たぶん、今月中に歴史的な大底を打つと思います。


(先月に引き続いて)ドイツ証券の武者隆司氏(談)を掲載します

@現在のアメリカは、10年前のバブルが崩壊した時の日本にそっくりだ。デフレ現象が個々に見られるのと銀行の貸し渋りは半端ではない。

A欧米の株は今後も下げつづける。1989年に日本が4万円弱の高値をつけて今に至るまで約四分の一以下にまで下げたのだが、これは日本が世界に先立ってのバブル崩壊だったのではないか。つまり、欧米の株は日本の10年後を追いかけているのではないだろうか。

B20世紀後半に世界でみられた経済成長は終わりを告げ、今後は超低成長時代あるいはマイナス成長時代に入るだろう。 つまり、世界同時不況である。

C『世界恐慌』という文字が躍る場面も出てくるだろう。 これを回避するためには、世界協調政策が必要になってくる。

D日本の株価は十分に下げているから、政策次第では底をつけてもおかしくない。

(毎月月初発行)

 

過去の予想記録

02年1〜6月
01年7〜12月  01年1〜6月
00年7〜12月  00年1〜6月
99年7〜12月  99年1〜6月

 

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by
羽柴英治