2001年1〜6月号
2001.1
去年の出来事 19,000弱でスタートした日経平均は、3月には2万円の大台を超え、それまでは比較的順調に思われました。しかし、光通信、CSK、ソフトバンクを筆頭にハイテク株のバブルがはじけ日本株式市場は無残にも下げ続けました。 業種では、電線株、ガラス株、石油株が踊りました。躍った後は祭りのあと。個別には、第一薬など一部薬品株、東京ガス、ファーストリティリング、日航が屈強でした。しかし、ファーストリティリングは、最近になって軟調になりましたが。 今年と一月の予想 日本の株式市場は、未だもって大底をつけていません。何度も繰り返しますが、ここまで低迷してしまった以上、大底をつけるまで立ち上がることはできません。それまでは、政局同様『混迷』が続くはずです。企業業績がどうのこうの、株の持合がどうのこうの、ましてや信用買い残が云々など、そういった話しは大底とはまったく無関係。我々投資家の関心事は、いつ大底をつけるかの一点に絞ればイイのです。しかし、大底をつける時期がいつなのかは神様しか分かりません。ただ、「今が底だ」という人がいる間は、まだまだでしょうね。 一方、大底など待たずに、株のバーゲンセールが行なわれていると割り切り、株を買うのも一法です。しかしこの場合は、「3年後に上がっていれば良い」と割り切ることが肝心。つまり、長期を覚悟することと、銘柄の選別に細心の注意を払わなければならないでしょう。 米金利下げはハードランディングに火をつける FRBの電撃的な金利下げでダウ、ナスダックともに急騰したのもつかの間、再利下げにより米経済がそれほど深刻なのかと不安をあおり、五日急落して ”やぶへび” になってしまいました。 専門家とトウシロの予想 最近になって「日経平均は2月に12,000円まで下がるだろう」と、予想している人がチラホラ。例によって一部のエコノミストと株のトウシロたち。つまり、株を持ってない人々。経験則でいけばエコノミストとトウシロの予想が一致する場合は、当たったためしがない。 シナリオ シナリオ1 NYが落ち着きを取り戻し、日経平均はなだらかに上昇する。 シナリオ2 日経平均はさらに急落して大底をつける。その後上昇過程に入る。 シナリオ3 混迷が続く。日経平均13,000円から15,500円の狭いレンジで低迷する。 どう考えてもシナリオ1の可能性は低い。理想的なのはシナリオ2。大底さえつければ力強く上昇するから。一番困るのはシナリオ3。NYが急落せずにもたついていると、このシナリオの可能性が一番高い。つまり、NYがもたつくことが日本に一番良くない。日本株が上昇するためには、米国株の急落が必須条件になると思います。 |
2001.2
1月の出来事 NYダウとナスダックの落ち着きや、金庫株などの株価維持対策が紙面を多少賑わしたことから、日経平均は一時1万4千円まで戻りました。しかし、その後は軟調な展開。 個別に上げたところは、なんと言ってもソフトバンク、光通信、トランスコスモス、セガ、トレンドマイクロが5割以上の上げ。CSKも45%の上昇。また、アラビヤ石油、志村化工が息を吹き返しました。 二月の予想 やはり今月もパッとしない展開になるでしょうね。こういうときは昔から、仕手株が幕間繋ぎ(まくあいつなぎ)をします。今は、アラビヤ石油が賑わってますが、第二第三の仕手株が現れればとりあえず相場は持ちます。しかし、その仕手株が短命に終わるようだと、もう何をやってもだめ。お手上げ状態になります。 最近、ホンのちょっと動意づいているのが新日鉄。この新日鉄や石川島播磨重工などが活況になれば、株式市場はまた元気になるんだけどなぁ〜。 いずれにしても今はじっくり仕込む時期。こういう時に短期売買すればするほど手数料だけ払って、『骨折り損のくたびれ儲け』。3年後を見据えて長期投資でいきましょう。 |
2001.3
3/2 日経平均 12,883円 TOPIX 1199.84p 1ドル=119.20円 二月の出来事 3/2には、日経平均が400円安の12,261円と、85年7月以来の安値。 米国ナスダックも2日、2100pを一時割るなど、雲行きはかなり怪しくなってきました。 また、失業率増大、デフレ、富士通などの業績下方修正など、悪いことは重なるもの。 株安だけではなく、日本の将来を悲観して円も売られ119円台。 個別で見ると、2月に上げたのは千代田化工建設、日本カーボン、イチケン。また、日商エレクトロニクス、マツモトキヨシ、大塚商会が急落からのリバウンド。 三月の予想 現時点(3/2)で大底でないことは確実。 東京ガスのように逆行高している銘柄があるうちは、底ではありません。 何もかも下がったときが底。 宮沢喜一さんが、「いつかは落ち着くでしょう」なんて呑気なことおっしゃっているけど、はっきり言うと僕も同感。 どうにかなるもんですよ。 こう言うときは、The Beatles の 『Let It Be』 を聞きましょう。 |
2001.4
3/30 日経平均 12,999円 TOPIX 1277p 1ドル=125.25円 三月の出来事 3/21に日経平均が900円高を演じ、その後大きなブレはあるものの13,000円を維持しています。米国の方はナスダックが1800Pを割り込みましたがダウの方は9500P前後の揉みあい。また、円安ドル高が止まりません。 個別で見ると、上げたところはグンゼ産業、日成ビルド工業、兼松日産農林(懐かしい)、オリコ、日本信販、東洋エンジニアリング、片倉、佐世保重工業、など1ヶ月で50%以上上げたところがごろごろ。 四月の予想 『喜怒哀楽』でも書いたように、3/21の900円高で『底』をつけたことはほぼ確実。ブレ(振幅)が徐々に小さくなって上値を追う展開になるはずです。 去年、当サイトで取り上げた長谷川慶太郎著の『日本の復活元年』を読み直してみてください。一年の誤差がありますが、この予測があたりそうな気がします。 |
2001.5
5/2 日経平均 14,421円 TOPIX 1424p 1ドル=121.85円 四月の出来事 日経平均、TOPIXともに順調。それぞれ1万4千円、1400ポイントに乗せました。主に中低位株が上昇しました。鉄鋼株が上げの発端でしたが、その後ほとんどの業種に広がり、低位株全般の底上げ相場になっています。 個別で見ると、上げたところは仕手の井筒屋。川鉄との統合を正式に発表したNKK。三井造船、商船三井、帝人製機、イチケン、二プロ、大丸、シーエーシー。大日本土木、大成建設、五洋建設、清水建設などの建設株など大幅に上げた低位株がごろごろ。 一方下げたところは、マイカルカード、山之内製薬、トーメンエレクトロニクス、松下通信工業、船井電機、日本無線、TDKなど。 五月の予想 一旦上がりだせばもう止まらない、毎度お馴染みのパターンですね。日経平均でいけば、1万5千円で多少足踏みして、その後は1万7、8千円を追う展開になるでしょう。もちろんこの予想は、今現在の僕の予想ですから、のちのち『予期せぬ出来事』があれば修正がはいります。 多少 ’利’ が乗った人は、売ってしまいたくなる時期です。売ったあとに、じっくり次の機会を狙うのならまだいいのですが、日経平均がガンガン上がってしまうとじっとしていられなくなり、そこそこ上昇した銘柄に手を出す。また、そのパターンですか。短期で儲けようとするから、いつもいつも浮き足立った売買しか出来ないんですよ。 |
2001.6
6/1 日経平均 13,261円 TOPIX 1310p 1ドル=118.80円 五月の出来事 日経平均、TOPIXともに軟調。 個別で見ると、上げたところは日本ビジネスコンピューター、サミー、ダイワボウ情報システムが大幅高、他に石井鐵工所、ニチユ、ドウシシャ、ゴールドクレスト。また、興亜石油、昭和シェル石油、コスモ石油の石油株など、高いところは少なくありません。 一方下げたところは、丸善、ベネッセコーポレーション。そして建設株、鉄鋼株。NKKは、また100円台まで下げてしまいました。 六月の予想 このままズルズル下げるのか、ただの調整局面か、二つに一つですが、やや楽観論かもしれませんが、長期展望を考えればほんの調整局面だと思います。当サイトで再三述べているように、三年後に上がっていればいいのですから、自分のほれ込んでいる銘柄がせっかく安くなったのなら、思い切って買うのもいいでしょう。 僕のように、配当を意識するのもいいかもしれません。例えば僕の買った積水化学が年10円の配当。僕が買った値は338円ですから、投資金に対する配当金は3%弱(税込み)です。預貯金に比べればかなりましな数字でしょう。ただし、配当だけを意識しないように。やはり株は、将来その企業がどれほど成長するかを最大の投資判断としなければいけません。 |
過去の予想記録
by 羽柴孔明 |