近未来予測

2000年7〜12月号

2000.7

六月の出来事

 急降下銘柄(ネガサハイテク株)が、下がるところまで下げたせいか、とりあえず底を打ったようです。中小型株を中心にしっかりした日が続きました。

 NYダウは、1万300ドル強であまりぱっとしませんが、ナスダックは戻しました。

上げたところは、板硝子、セントラル硝子、第一製薬、塩野義、富山化学、エーザイ、住友大阪セメント、日本特殊陶業、古河電気工業。

 一方、下げたところは、伊藤園、光通信、ソフトバンク、東天紅。

 

 

七月のゆくえ

 中小型株を中心に堅調に推移すると思います。不安は遠のき、下値は限られてくるでしょう。
NYダウがこのところ再々度軟調ですが、このところの米国と日本の株式市場を眺めていると、あまり連動していません。『ダウが下がっても日本は動ぜず』、米国と日本の市場が切り離された展開が予想されます。

 

 

急降下銘柄について

 CSKやソフトバンクなどの急降下銘柄については、この先はなだらかに下がっていくでしょう。なぜなら、今まで損切りせずに頑張ってきた機関投資家や個人が、中小型株の上昇を指をくわえて見ていることが出来ず、投売りしてくることが十分考えられるからです。

 日経平均がガンガン上がっても逆降下する、ちょうど去年の内需大型株のようになることでしょう。

 

2000.8

七月の出来事

 七月半ば頃までは、中小型株を中心に堅調に推移しました。しかし、そごう問題が意外に尾を引き、銀行株建設株が売られだしたのを皮切りに、そごうとはまったく関係のない、つまり好業績株まで崩れだしたところへ持ってきて、NYダウ、特にナスダックが下げだしたのを嫌気し、日経平均はあっさり1万6千円を割り込んでしまいました。

 そごう問題で日銀がゼロ金利政策解除を見送り、そうなれば当然円安になり、円安になれば外人さんが売ってくる。という展開になってしまいました。

 

八月のゆくえ

 結論から言えばかなり弱気になっています。特にNYダウ、ナスダックが今度こそ暴落するかもしれません。その確率はズバリ7割。今年4月に調整して、今ここに来てまた下げだしていることが、いやな予感を僕に与えています。アマゾンドットコムが債務超過に陥りました。このようにメッキがはげだす企業が現れてくるでしょう。ダウにしてもナスダックにしても、まだまだ高値であることには違いありません。高値であるということは、ほとんどの投資家は不安を抱きながら日々生活しているのです。それが一旦崩れ出したらどうなるか。

 日本の株式市場も弱気とみています。その理由は、東証二部指数、店頭平均指数がいずれも13、14日連続安を続けているからです。

 ここまで下げると『底』をつけなければ相場は続きません。その底をつけるためには、やはりセイリングクライマックスが必要なのです。

 

十年はひとむかし

 ちょうど今から十年前の1990年。年の初めには日経平均3万8千円ありました。3月4月に調整し、その後持ち直しましたが、八月にイラクがクウェートに侵攻したのをきっかけに、日経平均はズルズルと奈落の底に。その時から1998年十月までの下げ相場が始まったのです。

 もしも、この八月にダウ、ナスダックが暴落したら、エコノミストたちは、「十年前の日本にそっくりだ」と、数ヵ月後に言うでしょう。

 

2000.9

真夏の出来事

 日銀がゼロ金利解除を決行したこととNYダウ、ナスダックがまたもやしぶといところを見せ、日本株も落ち着きを取り戻しました。また、外人さんが買い越しに転じたことも買い安心につながっています。

 個別には、日本板硝子、セントラル硝子、日本特殊陶業、古河電気工業、フジクラが依然強く、またソニーやソフトバンクなどのハイテク株も戻しました。逆に鉄鋼株、小売、ブリジストンが年初来安値を更新中。

 

 

九月の予想

 「予想はよそう」と、オヤジギャクを飛ばしたい今日この頃。ただ予想というのは、高くなるか安くなるかの二通りだけではなく、もうひとつ「ワカラナイ」があります。ワカラナイものは分からない。分からないときは、じっとしているに限る。分からないのに下手に動けば火傷をするだけです。どんな時もだらだらとポジションを持っているようでは、いつまでたっても負け組みでしょうね。

 去年のような大相場なら、情報通信株関連を買った人は大もうけできたはずですが、今年のような相場で儲けるのは至難の業。古河電気工業のように大幅高した銘柄もありますが、これを当てるのは至難の業かまぐれ当たり。残念ながら今の私では、これらを当てる技量まで達していません。まだまだ精進です。

 

今後の僕の戦略

 暴落するか、あるいは明確な指標が出るまでじっと我慢します。いつまで我慢できるかが勝負の分かれ目でしょうね。ポジションを持たないときは絶対損することは無いので、安心して日々を暮らせるはず。しかし、日本株が高くなりだすと、相対的に自分が損している錯覚に陥る。

(他の人が儲かっているのに自分は儲けてない) → (自分は儲けそこなっている) → (自分は損している) 

と、いうことにはならないのにそう思ってしまう人間の愚かさ。(株を持ってないと面白くない。いつも勝負していたい。) この考え方を改めない限り、勝ち組みになることは難しいでしょうね。

 

2000.10

九月の出来事

 需給面からみると、銀行などの持ちあい解消売りに対し買い手が現れない状況が続き、日経平均は弱含みで推移しました。一方、米国も弱い展開が続いていることが心理的に影響し、買い手不在になっています。

 このところ強かった日本板硝子、セントラル硝子、日本特殊陶業、古河電気工業、フジクラが調整しだしました。鉄鋼株、小売等、ブリジストンは依然よわいまま。

 

 

十月の予想

 このようなだらだらした展開が続くと、明確な出来事がない限り相場は動かないでしょうね。その『明確な出来事』とは、やはり暴落が考えられます。仮になんとなく上げだした場合、日経平均1万7千円で壁にぶつかります。そこでまた、だらだら。しかし、1万7千円まで行くと世の中は幾分明るくなり、上げだす銘柄も次々と出現することから、弱気から一気に強気になり株に手を出してしまいます。株に手を出したら、まただらだら。

 初心に帰って、今の相場が高いか安いかと考えれば、個別には安い銘柄も多く、株で儲けるコツ『安い時に買って高くなったら売る』の良い機会かもしれません。『三年後に上がっていれば良い』と考えて、注目している企業が三年後に明るくなっていると予想できさえすれば株を買ってもいいでしょう。

 

 

2000.11

十月の出来事

 NYダウが切り返したにもかかわらず、ナスダックが弱含みなことから日経平均は弱気一色。

 個別的には、NOK、日揮、日産自動車、久光製薬が上げ、そして相変わらずファーストリティリングが屈強なところを見せました。一方下げたところは、光通信、CSK、千代田化工建設、トミー。

 

 

十一月の予想

 結論から言えばまだ大底に達していません。しかしながら、このまま底をつけずにチンタラ上げだす可能性も十分あります。NYダウが戻したことからこのまま奈落の底にまっしぐらするより、チンタラ上げだす可能性のほうが高いでしょう。しかし、チンタラ上げだしても16000円〜17000円で壁にぶつかることは必至です。つまり、大底をつけずに上げだせば泣かず飛ばずで終わると言うことです。

 僕の予想は、半年以内には大底をつけると思います。経験則で言えば、このような弱含みで推移した時は必ず大底を打ってから本格上昇になっていきました。言いかえれば本格上昇するためには大底をつけることが必須条件なのです。だから、大底をつけるか否かが大きなモンダイになります。

 

2000.12

十一月の出来事

 NYダウ、ナスダックスともに軟調な展開。特にナスダックスが2600割れを起こし深刻な状態になってきました。通常なら東証も連れ安するところですが今回は14300円辺りで切り返しました。

 また、政局のドタバタから久々に円安も進みました。NYダウとナスダックスが下げたのだからドルも売られて円高になってもよさそうなところで実際は円安になるのですから、為替は本当に分かりません。

 個別的には、なんといってもアラビヤ石油が連日のストップ高のあと、急落。依然予断を許さない展開。太平洋金属、ジャパンエナジー、日本ケミコン、セガ、キャッツ、三洋工業など5割近く上げた銘柄がごろごろ。
 一方急落したところは、マツモトキヨシ、ファンケルが半値になり、豊田合成、ベネッセコーポレーション、武富士、日本ドライケミカルも急落しました。

 

 

十ニ月の予想

 ワケの分からないときは休む。ひたすら辛抱の時なんですよ。この辛抱ができない人は負け組みになるのですよ。一番良くないパターンは、沢山の銘柄を持っていること。目移りしながらいろんな銘柄に手を出し、気づいたころには十銘柄近くになっている。そんな人が勝てるわけありません。どんなに多くても3銘柄にすべきです。できれば1本に絞るべき。

 『ナンピン買い下がりが悪手』と当サイトでさんざん書きましたが、銘柄を1本に絞るという条件付ならば、まだ勝つ可能性が僅かながら残されています。(私はしませんが) しかし、たくさんの銘柄(5銘柄以上)を持っている人が残りわずかな資金にナンピン買いするのは、どう考えても『焼け石に灯油』。

 ようするに、私の予想は”ワカラナイ”。 だから、休む。 これもまた、戦略の一つです。

過去の予想記録

 00年1〜6月 99年7〜12月  99年1〜6月

 

Homeへ
by
羽柴孔明