なぜ、FX(外国為替保証金取引)?

 外国為替保証金取引とは「投資効率の高さ」「取引自由度の充実」「円高円安の両局面に収益チャンスがある」などの特徴があり、いま個人投資家の間で注目を集めています。 一般的な外貨預金や外貨建てMMFと比較しても、スワップポイント制度の活用など、メリットは大きいと言えそうです。

24時間いつでも取引可能な為替市場

株式市場や債券市場などのマーケットとは異なり、為替市場は24時間眠ることがありません(土日祝を除く)。 東京→香港→シンガポール→ロンドン→ニューヨーク→ウエリントン(ニュージーランド)→シドニー→東京と、平日ならかならず世界のどこかで為替の取引がおこなわれています。

大きなレバレッジでハイリスク、ハイリターン

 「保証金取引」の最大の特徴は、投資効率が高いこと。 取引業者により異なりますが、保証金(証拠金)の約10倍以上のボリュームで為替を取引することができます。 損失が保証金の一定率の枠を超えない限り、大きな取引がおこなえます。 たとえば100万円の投資資金が手元にあれば、1,000万円程度の取引が可能なのです。 つまり、少額資金でもレバレッジ効果によって大きな利益を獲得するチャンスがあるというわけです。

(注)証拠金取引は原則として、買った通貨は売り戻す、または売った通貨は買い戻して、その差額(損益)だけを決済します(=差金決済)。実際の元本(現物)を移動交換するわけではありません。

円高円安どちらの局面にも収益のチャンス

 円高局面・円安局面のどちらでも、利益が得られる可能性があります。 元本の移動交換が伴わない差金決済なので、実際には保有していない通貨を“売る”ことができます。 円安が進むと考えれば外貨の「買い」から入り、円高になると予想すれば「売り」からはじめることができます。

スワップ゚金利で儲けよう

通貨間の金利差で発生するのが、“スワップポイント”です。
 トレードによる為替差益だけがFXの魅力ではありません。 スワップポイント制度を活用して、通貨間の金利差に着目した利回り投資を実践することもできます。 スワップポイントとは通貨間の金利差調整分のこと。 金利の低い通貨を売って、金利の高い通貨を買えば、双方の金利差を利息のようなかたちで受け取ることができます。

 スワップポイントは毎日受け取れます。 たとえば、米ドルを1単位(1万ドル)買えば、1日につき88円支払われます。(2005.5.6現在・楽天証券) ニュージーランドドルなら、143円です。 しかも取引が行われない土日でも受け取れるので、1年で365日受け取ることが出来ます。 しかし、外貨を売った場合は逆に支払わなければなりません。

スワップポイントの利回りを試算してみましょう。

 たとえば、ニュージーランドドルを1単位(1万ドル)買ったとします。 本日(2005.5.6)は1NZ$=76円80銭です。 この場合の保証金は、業者によって異なりますが、楽天証券ならわずか5万円ですみます。

取引例1
保証金 : 5万円
NZ$/円を1単位(1万ドル)買い
スワップポイント : 143円

 仮に1年後、本日と同じ1NZ$=76円80銭だったとします。 決済すると為替による損益はゼロ。 しかし、スワップポイントが概算で以下のようになります。 (スワップポイントは毎日変動しますが、143円で計算します)

 143円 x 365日 = 52,195円 

 なんと、5万円の投資で5万円強のスワップポイントを受け取ることが出来たわけです。 凄いでしょ。

喜んでばかりはいられない

 ところがどっこい、世の中はそんなうまい話ばかりではありません。 取引例1は、為替がほとんど動かなかった時だけの話です。 一年後に現在と同じNZドル/円は十分ありえますが、一年の間に円安、円高を繰り返すはずです。 取引例1では、1円の円高で1万円の含み損になります。 そう、約20%のマイナス。 保証金維持率を下回った場合、保証金を追加差し入れしなければいけません。 ハイリターンではあるけれど、ハイリスクを忘れてはいけません。

参考文献:楽天証券(マーケットfx活用術)

悪徳取引業者に気をつけよう

 商品先物と同様にFXでも投資家と業者とのトラブルが後を絶ちません。 執拗に勧誘を迫る、出金依頼しても応じない、などのトラブルがあるようです。 ただ、2005年7月には「金融商品の販売等に関する法律」の対象商品になり、金融庁による法的整備、登録制の導入、自己資本比率規制、電話や訪問などの勧誘の禁止などが実施されます。